「島」にこだわるMTGブログ

コントロール目線で色々書きます

【GP横浜モダン】トリコトラフトで50位入賞した話

マジックフェスト横浜2019の本戦、2500人が参加したグランプリ横浜で55位という成績を収めることができました。

戦績は11勝3敗1分けの34ポイント。

デッキは愛用のトリコトラフトを使いました。

 

Day1
R1 bye
R2 bye
R3 緑トロン ×○-
R4 青赤フェニックス ○×○
R5 唸りプリズン ○○
R6 青赤フェニックス ××
R7 ドレッジ ○○
R8 青白コントロール ○○
R9 人間 ××

 
Day2
R10 bye
R11 エスパーコントロール ○○
R12 BG ○○
R13 緑トロン ×○○
R14 青赤フェニックス ××
R15 ドレッジ ×○○
 
まずこの成績に至るまでには、多くの友人たちの協力と理解ある妻の応援、そして幸運の連続のおかげであったことをお伝えしたいと思います。謙遜ではなく、当日会場にいた誰よりも運を味方につけたプレイヤーであったと思っています。
ただそれだけではなく、自分なりに誇れる程度の練習量は積んできており、自信もありました。
そのため本稿では、自分のようなカジュアルプレイヤーが運込みで勝率6割を出せるプレイヤーに成長した練習録を中心に綴りたいと思います。
  

 

目次

1.これまでの事と目標設定
2.デッキ選択
3.練習方法
4.デッキリスト決定
5.ラストチャンストライアル
6.グランプリ本戦
7.おわりに

 


1.これまでの事と目標設定

自分がマジックを競技志向で取り組むようになったのは約2年前。PPTQ優勝を漠然とした目標とし、マルドゥ機体やティムール霊気池がtier1の中、呪文捕らえを搭載した独自のエスパー機体で出場していました。

しかし32人程度の大会ですらtop8に残れない体たらく。

ただでさえパワーが低い独自のデッキを使っているのに、練習時間不足という二重苦を抱えては、しっかりと調整を重ねてきた相手に勝てる道理もありません。

懲りずに昨年のモダンシーズンPPTQにも参加しますが、少人数の大会にてやっとのことtop8に残ったと思えば、準決勝のジェスカイコントロールミラーに散る結果となりました。

 
PPTQだけでなく、グランプリに出場したこともあります。愛用の呪文捕らえのスタン落ちによりスタンダードを退くことになった私は、コミュニティにも恵まれ週数回のドラフトに励んでいました。

「ドラフトにはマジックの大切な事が詰まっている」 とは知人の準プロプレイヤー宇都宮さんの弁ですが、その言葉を糧にドラフトを通じたマジック基礎レベルアップを目指していました。

 
一つのゴールは、地元幕張メッセで開催されるグランプリ千葉2018リミテッド。多くの友人がday2進出を目標としていたため自分もそれに倣い、ノーbyeから6-2という厳しい闘いに挑むことになります。
しかし現実は甘くない。比較的強い赤黒アグロを組むことができ4-2と奮闘するも、フルパンすれば勝てる状況で除去に怯えて安全なコンバットを選択してしまい、それを咎める次ターンの「苦悩火x=6」。それでgame1を落とし、game2を取り返すもののgame3で相手のシステムクリーチャーが止まらず敗北。
 
負けた瞬間の、血の気の引く思い、悔しくて右手を差し出せないあの感情を今でもハッキリと覚えています。これだけ練習してきたのに終わってしまった。目標を達成できないことの不完全燃焼。自分はこれほどに競技マジックに強い拘りがあったのだと気付く機会となりました。
 
PPTQ制度が終了してしまった今、自分に残された目標は「グランプリ2日目進出」のみでした。

 


2.デッキ選択

「モダンは情」。とはいえ情だけで勝てるほどマジックは甘くはありません。

私にとっての「情」は呪文捕らえというカード、そしてジェスカイというデッキでした。

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共にスタン落ちした相棒
GP横浜の頃のモダン環境を見渡せば、ジェスカイというデッキは最悪の選択肢。屈指のデッキパワーを誇るイゼットフェニックス、ドレッジ、それを狩るトロンとメインから墓地対策と土地破壊を講じた青白コントロール、BGというメタゲームです。
元々クリーチャーデッキに強いとされるジェスカイにとっては有利が一つもつかない状況。土地対策カードも3色の不安定なマナベースにとって向かい風となり、「ジェスカイは死んだ」と言われる程の評価でした。
 
しかし、実際に大会に出てみればデッキは多種多様です。バーンやスピリットはややキツイですが人間、親和、アドグレイス、アーティファクト系コンボなど相手には有利に戦うことができます。
 
メタゲームに動きがないとしても、モダンの使用率から言って連戦フェニックスやドレッジばかりに当たるとは考えにくく、残り7割は別のデッキ。
幸いフェニックスとの相性が体感五分であったこともあり、残り3ヶ月でパワーの高いデッキを組み一から練習するよりも、仮想敵を中心にジェスカイで6割勝てるプレイを身につける方が合理的に思えました。
 
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tier1域のデッキ
  • イゼットフェニックス、BG、死の影 →五分なためプレイングを磨く
  • トロン、ドレッジ →キラーカードでサイド後勝つ
tier2以下のデッキ
  • クリーチャーデッキ →有利
  • 青白、タイタンシフト →不利。デッキ全体の最適化が必要
  • バーン、アミュレットタイタン →キラーカードでサイド後勝つ
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ミッドレンジデッキであるため、やはり自分よりアドバンテージに優れた青白のようなデッキと、アドバンテージを無視してくるトロンやタイタンシフトが厳しくなります。
聖トラフトの霊はジェスカイの定番サイドボードですが、これらのデッキに対する明確な勝ち筋となるほか、フェアデッキにも強いために気に入っていました。
思い切ってメインから3枚投入したトリコトラフト型にし、マジックオンラインでの練習を開始しました。
 


3.練習方法

1月末にラヴニカの献身が発売され、GP横浜におけるメタゲーム形成が始まりました。
私が練習手段として選択したのはマジックオンライン(以下mo)で、300ドルほどで紙同等のトリコトラフトを組むことにしました。安くはないですが、moの効率性を考えれば充分見合う投資です。
 
具体的な練習ノルマとして、以下を課すことに決めました。
・必ず毎日1マッチ
・休日は5マッチを目標
→週間15マッチ、GP前週までの10週間で150マッチが目標。
 
スポーツでも楽器でも、一日やらないと下手になるとはよく言われますが、自分が一向にマジックで上達しないのもそれが理由ではないかと感じていました。
毎日1マッチは想像以上に辛く、飲み会を終えて深夜帰宅してからパソコンを起動する日も少なくありませんでした。半ば意地ですが、毎日積み上げたものを崩さないようにという思いで必死でした。
 
そんな生活を始めてから1週間、思いのほか早く成果が現れ始めました。マリガン判断や土地の置き方を瞬時にミスなく行えるようになったのです。「トロンにこの初手はダメ」「打消し意識させてここはフェッチを置く」。
例えミスしてもその違和感にすぐ気付けるようになり、翌日の試合では早速そのミスを矯正する機会が与えられるという好循環が生まれました。
 
また、毎日の練習により、グランプリの8回戦を戦いぬく体力を身につけることもできました。以前までの自分なら3マッチ程度で疲労困憊していたのが、この期間中に参加した店舗大会では6回戦を軽くこなし、帰宅後喜んでmoを起動できるほどになったのです。
 
さて、moのリーグは二つ用意されており、調整初期は色々なデッキとマッチングしたいため、比較的カジュアルなフレンドリーリーグに参加しました。フレンドリーリーグは2勝すれば参加費が半分戻ってくるため、資産が減りづらいメリットもあります。
終盤の3週間程度はtier1デッキや、より強豪プレイヤーとのマッチングを求めて競技リーグに参加しました。
 

moのリーグでは仮想敵を決めて大祖始の遺産や残骸の漂着などキラーカードを積極的に試しました。また、実験的なサイドチェンジを行い「アリ、ナシ」を早めに決めていきました。例えば、赤いデッキ相手に呪文捕らえをすべてサイドアウトして稲妻を腐らせるのはどうかや、安らかなる眠りを入れるなら瞬唱の魔道士を減らしていいのかなど、デッキを壊しかねない事もmoでなら遠慮なく試すことができます。

 
広く言われる「セオリー」を経験的に身につけられたのも大きかったように思います。具体的なものをいくつか挙げておきます。
  • 一本目先手では血清の幻視を打たない(土地を探す場合はok)→相手により欲しいカードが異なるため。
  • 血清の幻視がある場合はまずフェッチランドから置く→シャッフルしたくないため。
  • 廃墟の地を置かれている場合は優先して天界の列柱を寝かす→相手が割ってくれたらマナが増えるため。
  • 稲妻のらせんがある場合に島から置いたらダメ→次ターンに打てないだけでなく、ライフが大事マッチアップならどうせショックインして使うことになるため。
  • コーの火歩きをサイドインした場合は、初手になくても青白ランドから置く→次のターン引いた場合に出せるように。
 
これらの戦績と、試合を通じて得られた知識はすべてTwitter#モダン走り込み というハッシュタグを添えて書き込んでいます。
「グリセルシュートがメインから月。儀式から2ターン目に出ることも」「BG相手のメインボードでヴェンディが序盤に着地しライフレースを制した」「不朽の理想の暦伝能力は墓地から追放しても残る」など、有象無象な記録は50以上に及びます。

記録をふりかえれば、
10週間で計185マッチ。117勝68敗という戦績が積み上がっていました。

 


4.デッキリスト決定

最終的なリストは以下のようになりました。
 
4 瞬唱の魔道士
4 呪文捕らえ
3 聖トラフトの霊
1 ヴェンディリオン三人衆
 
4 流刑への道
3 稲妻
2 呪文貫き
1 外科的摘出
4 稲妻のらせん
2 論理の結び目
3 謎めいた命令
4 血清の幻視
1 ドミナリアの英雄、テフェリー
 
4 溢れかえる岸辺
2 沸騰する小湖
2 乾燥台地
2 神聖なる泉
2 蒸気孔
1 聖なる鋳造所
3 天界の列柱
2 硫黄の滝
1 廃墟の地
3 島
1 山
1 平地

サイドボード
2 コーの火歩き
2 アゾリウスの造反者、ラヴィニア
1 イゼットの静電術師
1 外科的摘出
1 摩耗 // 損耗
1 残骸の漂着
2 安らかなる眠り
2 石のような静寂
2 減衰球
1 ドミナリアの英雄、テフェリー

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二日間を駆け抜けたデッキ

 
調整の過程でしっかり考えたカードのみ解説します。
 
稲妻3、稲妻のらせん4
稲妻はフェニックス、ドレッジ、コントロールのいずれにも弱いですが、BG戦の後手盤で闇の腹心を除去するなど稲妻のらせんでは出来ないことも多いため、バランスを見て3枚にしました。
稲妻のらせんはジェスカイ最大のメリットと感じており、バーン戦はもちろん、初手に複数あればドレッジやBGに対しライフレースを仕掛けるプランを取れるため最大枚数採用すべきです。

呪文貫き2
イゼットフェニックスの魔力変、ドレッジの安堵の再開が厳しく、軽く弾けるカードが必要でした。呪文嵌めにできない事としてヴェールのリリアナ、トロン初動の地図、カーンなどこのデッキに辛いアクションへしっかり触れるほか、呪文捕らえへの稲妻をカウンターすることでそのまま勝ててしまうゲームがよく発生したため、デッキに合っているように思います。

ヴェンディリオン三人衆1
ドミナリアの英雄、テフェリー メイン1サイド1
トロンやタイタンシフトに対して弱いテフェリーと比べ、ヴェンディはあらゆるデッキに万能であるためメインボードへ。コントロール相手にライフを攻めるデッキ方針とも一致しています。マナ域が呪文捕らえ、聖トラフトの霊と同じで重くなりがちなため採用は1枚に。
一方で、BG系統のフェアデッキとはクロック源を用意した上でのパワーカードの叩きつけあいになる事が多く、テフェリーが一枚でも多く必要です。

アズカンタの探索0
強いカードですが廃墟の地が多すぎて機能しません。相手のみアズカンタが入っている状況だけは避けなければならないのですが、青白コントロールが採用していなかったため問題なく切ることができました。

コーの火歩き サイド2
バーンへのキラーカードとして採用。機を見た援軍は汎用性が高い分、バーン相手には頭蓋割りをケアするため打ち消しとセットで引かなければならず使いづらさが目立ちました。こちらは引いて出せば絶対に勝てる点が良いです。

アゾリウスの造反者、ラヴィニア サイド2
トロンをターゲットとしつつ、直前に流行りだしたアミュレットタイタン、アドグレイスに対しても置物クロックとして有効なため最後まで続投しました。呪文捕らえとのシナジーを期待しましたがほとんど発生せず、刺さる刺さらないがハッキリしているため今後の環境次第では抜けると思います。
 


5.ラストチャンストライアル

グランプリを目前に控え、今一度day2進出という目標の達成可能性を冷静に分析する必要があります。
先述の通り、10週間での戦績は117勝68敗。勝率は63%となりました。グランプリは8回戦で6勝する必要があるため勝率8割を目指していましたが、6割では5-3しかできないのです。moと比べてフェニックスやドレッジに多く当たることを考えると5勝すら怪しい状況です。
 
この時点で、本戦前日のラストチャンストライアルを制し2byeを獲得するのが半ば必須となりました。ラストチャンストライアルは勝ち抜けの4回戦レースですが、負けたらすぐ次に出られるためノーbyeのプレイヤーにとってはまさに最後に与えられた希望。主催者の思惑通りといったところですがそんなことを気にしている場合ではありません。
 
R1アークライトレッド ×○×
---
R1BG ××
---
R1アークライトレッド ○○
R2グリクシスシャドウ ×○○
R3bye
R4アドグレイス ○○
 
勝ち抜け戦ゆえの奇跡といいますか、ここでも豪運を発揮し三回戦でbyeが発生、望外の4勝を達成
作戦通り2byeを獲得することができました。

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7500円の戦果


6.グランプリ本戦

本戦の成績は冒頭の通り11-3-1。day2の初戦でも対戦相手が来ないというトラブルが発生したため、実際戦績は8-3-1となりました。
 
本戦の勝率は66%。ラストチャンストライアルを3-2と考えるとこちらは60%。もはや笑い話ですが計算通りに正確な6割プレイヤーで、練習以上の結果は絶対に出ないという事です。
 
本戦で印象深かったのは、やはりday2進出をかけた8回戦のバブルマッチ。相手は青白コントロールで、練習通りにライフを攻め常にプレッシャーを与えるプランで完走。聖トラフトの霊の強さが光る試合でした。
決着の瞬間、対戦相手は笑顔を絶やさず「明日頑張ってください」という一言を贈ってくれました。相手の気持ちを思うと目の前で手放しに喜ぶことはできませんでしたか、その一言に救われた気がします。
 
そしてもう一つは、day2の最終戦であるドレッジとの戦い。すでに目標を達成していたため、長期間迷惑をかけた妻にせめて賞金を持ち帰りたいというモチベーションで臨んでいたday2、4-1で迎えた最終戦は賞金圏内をかけた試合でした。
 
game1は最高速度でのぶん回りを受けてあっさりと負け。game2は初手に安らかなる眠りと外科的摘出を引き込み、速度が落ちたところを聖トラフトの霊で殴りきり勝利。
そしてgame3。初手は悪くなく、血清の幻視で墓地対策を見つければ文句のない手札でしたが、相手がぶん回ると勝てないために勇気のマリガンを選択。幸運の女神はいるもので、占術した先に外科的摘出を見つけ、相手を減速させます。そして、キャストされたドレッジカードに対して、これ以上ない呪文捕らえ
ドレッジカードは墓地に落ちることのないまま、最後は呪文捕らえのクロックと、引き込んだ稲妻のらせんで勝利しました。
 
もしジェスカイというデッキを選択していなかったら、呪文捕らえが単なるカウンターだったとしたら、この試合は勝てていないかもしれません。
運命のいたずらのような劇的な勝利に、涙が溢れそうになりました。
 

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2日間で最上位の座席


7.おわりに

長くマジックを続けていると、中途半端なプライドや知識が成長の邪魔をします。
  • そこそこ勝てて、下手くそではない
  • 負けたのは事故や相性差のせいだ
  • デッキがあまり強くないから
  • 友人のアドバイスは自分のデッキのことをわかってない
モダンというフォーマットは愛用デッキを使い続けることを肯定しますから、私のように環境外とされるデッキを使っている方は似たような思いをしたことがあるのではないでしょうか。
 
しかし、どれだけ練習し、大会に出ようと、この言い訳ひとつで一日は水の泡です。
1ミリでも成長したいなら、試合後に相手のデッキのことを聞き、小さなミスを振り返り、サイドボードを振り返り、そしてメモすることが大切です。すぐに次の試合が始まりますから、言い訳などしてる時間はありません。
1ミリの成長の積み重ねが、いつか自分にとってのブレイクスルーに繋がります。
たとえ競技志向でなく、上手くなる必要性を感じていないとしても、好きなデッキを巧みに操れるというのは最高に気持ちの良いものです。
たかが6割しか勝てなかった私でさえこう思うのですから、間違いありません。
 
本稿は自分の話が多くなってしまいましたが、似た境遇の人にとって、少しでも参考となれば幸いです。
 
最後に、GP横浜に向けてご協力いただいた友人たちに心から感謝を。頑張っての一言にどれほど救われたか。アドバイスいただいたカードたちも全て試しました。GP横浜を通じて知り合った方々も多くいました。これからも続けていくので、よろしくお願いします。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 

 

イクサランの相克 ドラフトまとめ

賞味期限切れの記事

 

MTG用のブログを用意していたことを忘れていました。

Twitterはメモにはいいですがたまには蓄積したものを文章にしないとダメですね。

 

イクサラン(無印)発売に伴うスタン落ち以降、大好きだった《呪文捕らえ》の影を追って自分も下環境に落ちていくことになりました。

《霊気池の驚異》禁止直前のPPTQを最期に、スタンの相棒【エスパー機体】とお別れし、モダンでバントカラーの【カウンターカンパニー】を組みました。最近はジェイスの解禁に伴って憧れだった【ジェスカイ】を。モダンのデッキについてはまたしっかり記事を書きたいですね。

当面はモダンで遊び続けるかな~と考えていましたが、モダンはスタンと異なり長期的スパンで楽しめることが大きなメリット。その分寄り道もしたくなります。誘い誘われの友人にも恵まれ、ドラフトをやる機会が増えていきました。

 

本題。

イクサランの相克発売以降、2か月で13回ほどドラフトをすることができました。各回のデッキと、学んだことを書いていこうと思います。ドミナリア環境以降も何かの足しになれば幸いです。

 

戦績は以下の通り

3-0 5回

2-1 3回

1-2 4回

 

 

①赤黒 3-0 身内4ドラ  

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初回は4ドラの割に強いカードが集まった赤黒に。

1-1 《サディストの空渡り》から周りが黒をやっていなかったためプールの除去をすべて集めた形に。ロードも来たのでさすがにパワーの差が開きました。

イクサランの4/4/3コントロール奪取持ちの海賊は想像以上に強く、疑似的な除去として使えるためクロックの速度が半端じゃなく、これ1枚で決着となりました。

 

②白黒吸血鬼 3-0 8ドラ

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1-1は《束縛の司教》。除去枠として白いカードをタッチするのはいいぞと何かに載っていたので、少なくともデッキに入れられるだろうとチョイス。その後も上手が赤青、下手が緑青であったこともあり綺麗に白黒のカードが流れてきました。 

たしか2-1は《黄金の死》を取り、2戦目の緑青マーフォーク戦、3戦目の赤青海賊戦で大活躍。白黒自体は決して早いデッキではなく、飛行を止めるカードも多くないので、全除去は点数をあげてピックすべきかなと感じました。

マーフォーク戦では除去の無い手札で相手のダメージ探検くんが止まらず負けそうでしたが、チューターから《束縛の司教》を持ってきて追放し、それが決勝点に。このときからチューターの魅力に憑りつかれて行きます。。。

 

 

③青黒海賊 1-2 人数は忘れたf:id:trapstun:20180317115940j:plain

1-1は《凶兆艦隊の毒殺者》。青黒が遅いデッキであることをこの時はまだ分かっておらず、無駄に前のめりな構築に。結果緑のデカブツデッキに2回当たり地上が止まって負け。2,3枚《尖塔這い》や5/3/2呪禁飛行を取っていれば全然違っていたと思います。

このとき必要性があるかは覚えてませんが、もう1色くらいタッチできそうですね。

 

 

④赤緑 1-1 相克3パックの4ドラf:id:trapstun:20180317115747j:plain

1-1ガルタだったのでまあ一度くらいモンスターデッキをやってみようかと組んだ赤緑。

赤は卓一人でしたが《砲撃》がプールになく、仕方なく白除去を取って赤緑t白の形に。土地枚数も適当だったため色事故を起こし早いデッキにさくっと負けました。

速攻装備品を2枚取れていますがサイズ負けしないからいいかとメイン投入していないのが失敗で、せっかく出した恐竜を返しに《刺殺》されるなど、速攻の大事さを知ることになりました。

 

 

⑤ザカマデッキ 1-2 8ドラ

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写真にはいませんがザカマデッキです。(1-1ピック)

デッキ自体はそこまで悪くなかったですが、2/1海賊の返しに全体1点火力を打たなかったらハダーナを貼られて除去できないまま負けたり、マーフォークチューターがロードを持ってきた返しにチューターに《光明の戒め》をなぜか打たずにサイズがすごいことになってライフレース負けたりなど、選択ミスを大きく咎められる2連敗となりました。他にも3/3で殴られたとき、恐竜を(2)軽くする子でブロックしてしまいバットリで除去、残していればザカマ出たのに。。というゲームもありました。

長期的なゲーム目線を持ちましょう。

 

 

⑥青白 2-1 身内4ドラ

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1-1は《法をもたらす者、アゾール》。青白はやったことなかったため喜んでピック。

アゾールはボムの割に6マナとかなり軽く、一度しか引かなかったもののそのゲームではしっかり出て勝負を決めました。他の試合はほとんど《海底の神託者》とアンブロマーフォークの組み合わせで勝利。軽量マーフォークがもう1,2枚あれば3-0も狙えるデッキになったかと思います。マーフォークにアンブロを付与するエンチャントを無駄に2枚ピックしましたが、1枚あれば充分そうです。

負け試合は白黒が出してきた昇殿馬に対し、既にこちらにはアンブロでクロックが十分たのでもっとボムのために除去取っておこうとガメたらライフリンクのエンチャントで6点ゲインされてダメージが足りなくなりました。《尖塔這い》に速攻装備をつけ忘れて殴らなかったこともあったので、やはりミスで勝ちを落とすことが多いですね。

 

 

⑦赤白 1-2 8ドラ

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ついにフェニックスを引いて3-0ーー!のはずが構築、土地数ともに失敗し散々な結果に。

赤9白6未開地1にしていたら白が出ず手札の3/2/3を2枚抱えたまま負ける試合が2回。また、軽さは正義の考えで2マナをピックしまくっていたら中盤以降に弱いガタガタなマナカーブに。よく回っていた5/2/5恐竜をピックしてもよかったかもしれません。

昇殿+2を2枚も入れたものの一度も昇殿せず活かせていません。これだけ2マナで攻めていくなら全体除去よりもっと効果的なバットリをピックすれば止まらず押し込めるはず、とのアドバイスももらいました。

1-2の吸血鬼チューターをはじめ、サディスト、赤青ランドなどそこそこ良いパックで悩んでピックしたものの使わなかったカードが多かったのも反省点。

何にせよ、ボムだけでは勝てない、組もうとしているデッキにほしいカードは何かを知りながらピックせねば・・・という初歩的ながら極めて重要な点を思い知る回となりました。(この次の回から2マナ域の枚数をしっかり数えながらピックするようになりました。)

 

 

⑧青黒t赤 3-0 11ドラ

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前回の反省をしっかり活かして綺麗に組めた回避ビート。3-0した瞬間は飛び上がるくらい嬉しかったですね。

1-1は海賊チューターと悩んだものの自分の中で異様に点数の高い《渇望の時》に。1-2も《渇望の時》でした。結果論ではありますがチューターを取っていたらかなり強いデッキになったでしょうか。(反省点として、除去は強いとはいってもコモンだし流れてくる可能性もあるため、1-1は海賊チューターでよかったのではというアドバイスをもらいました。)

3色のため事故が気になりましたが、2マナ域は黒に集中させ赤要素は後半引いても強い2枚のみに。2/1威迫海賊を捨て、0/4壁にしたことが一番のポイントだったと思います。色事故は一度もせず。

ゲームとしては2戦目の卓一青緑マーフォークがかなり強くさくっと一本取られましたが、持っている除去をすべて入れて2ターン目からひたすら1:1交換を繰り返すゲーム展開にし、なんとか息切れさせて勝利。 

 

 

⑨赤黒 2-1 4ドラ

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4ドラらしいパワーの低いデッキに。1-1は《凶兆艦隊の毒殺者》(よく引く)。1-2が弱いパックで3/2/2のダメージ軽減する白ダブシンの人間。1-3が《光明の戒め》でこれは白黒かなと思っていたら赤が大量に流れてきて赤黒に。

除去が全然なかったため見かけた飛行すべてピック。想定通り地上はすぐ止まり、飛行で押し込むゲームが多かったです。

赤黒ということで1マナ海賊の点数を高めにピックしましたが、ロードがいないと所詮2/1や2/2に過ぎないので後半弱く、チューターでライフ削ってなんとか仕事した感じでした。1/1/1速攻がなぜか好きなんですがあまり強いカードではありませんね。

収穫として、海賊チューター→宝物海賊→タッチカラーの流れは結構使いやすかったので覚えておこうと思います。

 

 

⑩赤青 3-0 6ドラ

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1-1がフェニックスながら赤の肉があまり流れてこず青を中心にピック(上手が赤をやっていました)。2-1がエルダー恐竜か青のドローエンチャントかで悩みましたがその時点で2マナ域を全然拾えていなかったこともあり大人しくエルダー恐竜に。その後はひたすら2マナ域の点数をあげて集めきりました。さすがにレアが強く3-0に。

 

 

⑪白黒吸血鬼 2-1 8ドラ

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1-1で2つ上が青緑のハダーナを取り、それならと吸血鬼チューターをピック。1-2は海賊ロードを見ながらも確実に使えそうな渇望の時を選択、1-3は青ドローエンチャントを見ながらサディスト。

その後白の流れの悪さを感じつつも、青緑には行けないしとやや決め打ち気味に白黒吸血鬼へ。3-1で伝説レアも取れたため結果悪くないデッキになったものの、青緑マーフォークに一手差で負け。呪禁トークン風と共にはずるい。

とはいえそのマーフォーク戦では1戦目勝ち、2戦目後手にて2マナの肉2枚、4マナ肉、土地4でキープというぬるい判断をしたらアンブロが止まらずすっかり咎められた形に。白黒はやはりロードか全体除去がないと押され負けする印象です。

 

 

⑫白黒吸血鬼 4-0 5ドラ

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 お前はそんなに白黒が好きかと言われそうですがまたしても上手が青緑のハダーナで自分の1-1は青ドローエンチャとの二択で《貪欲なチュパカブラ》をピック。その後青の除去や《弱者狩り》が流れていたり白黒が弱かったりで少し混乱してカラフルなピックをしながらも、明らかに吸血鬼パーツは流れており2-1でロードが出て決定。欲しいカードが2枚あるパックでは戻ってきそうな方を流して無事戻ってくるなど協調できた印象です。

しかしやや肉を取りすぎで除去がしづらく、ライフレースがギリギリに。バットリの点数を上げるべきでした。

 

 

⑬赤黒 1-2 4ドラ

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1-1が弱くとりあえず青黒海賊をピック、除去がガンガン流れてきたため青黒t赤と赤黒のどちらにも行けるように取っていたら3-1が0/5海賊でそこそこやりそうな海賊に。しかし《もぎ取り刃》を取らなかったのが致命的で、まったく昇殿しない形に。

遅めの青緑には快勝でしたが赤白のアグロに押され負け、青白相手も上が止まらず微妙な結果に終わりました。

 

 

総評

他の環境に通じるものなのか分かりませんが、とにかく軽いクソビートが成立しやすいと感じました。遅いデッキ(=ボムがいる)の場合には、単除去だけでは不十分で地上をしっかり止める壁と、できれば全除去も必要ですね。白黒吸血鬼ほどのシナジーデッキでさえ青緑マーフォークに押し込まれたことが何度もありました。

ドミナリア以降も活かせそうな点としては、まずはカードを一通り覚えること。先日初めてドミナリアドラフトをやりましたが、ピック中にテキストなんて読んでいたら碌なピックができません。名前よりも絵で覚えるのがプレイも早くなっていいかなと思います。

次に除去とコンバットトリックの種類、色、マナコストを覚えること。これはまとめているブログなんかもあるのですぐ覚えられました。相克で言えば白1マナ立っていたら+2修正の可能性がありました。同様に黒1マナなら自分を+1相手を-1する《卑怯な行為》があるため都合+2修正。一方で青1マナだと《潜水》+0/+4呪禁付与しかありません。これはブラフとしても有効で、たとえ手札に無い場合でも白か青かどっちかの土地が余る場面では肉同士の盤面では白を立て、自分のレアが立っていて除去が困る場合には青を立てるといった工夫ができます。相手にそれをされてビビって殴れないのは少し違うと思いますが自分がやる分には何の損もないのでクセを付けたいと思います。手札を見ながらノータイムで白を立てればそれっぽく見えるかもしれません(?)

この点は多少環境に左右されると思いますが、2マナ域の枚数を数えること。相克では前述の通りクソビートが多いため後手で2マナを出せないのは致命的ですが、かといって取りすぎると後半失速することを学びました。

枚数を数えることと連動するのですが、必要なパーツを意識して点数付けすること。例えば2マナ域を取りすぎてしまった場合には、テンポ損する単除去よりも軽いコンバットトリックを優先すれば相手の壁を壊しつつ押し込めるゲームを狙えます。一方で序盤ピックでボムレアと除去一通り取れた場合には、負け筋がクソビートにやられることなのでとにかく2マナ域の点数を上げてピックしていきます。

 

ドラフトというフォーマットに関しては、はじめはもっと運要素が強いのかと思っていましたが環境や戦略性が明確に存在し、少しずつうまくなっていく感覚もつかめるので非常にオススメです。何より手ぶらで仕事帰りに行ける!素晴らしい!!スリーブとダイスだけ持ち歩いておきましょう^_^笑

今回はこのあたりで。ありがとうございました。

 

青白バラルパーミッション(BFZ-AER)

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霊気紛争でリリースされた《遵法長、バラル》を使いたくて組んだデッキ。
デッキコンセプトは「アグロにテンポ負けせずコントロールにリソース負けしないクロックパーミッション」。

リスト

12 クリーチャー
4 スレイベンの検査官
3 遵法長、バラル
3 呪文捕らえ
2 奔流の機械巨人

24 呪文
2 予期
2 神聖な協力
1 鑽火の輝き
1 否認
4 金属の叱責
2 不許可
1 空鯨捕りの一撃
3 天才の片鱗
1 石の宣告
1 バラルの巧技
1 隔離の場
3 霊気圏の収集艇
2 ゼンディカーの同盟者、ギデオン

24 土地
8 島
8 平地
4 港町
4 大草原の川

15 サイドボード
3 手酷い失敗
1 否認
2 断片化
2 慮外な押収
2 燻蒸
2 領事の権限
1 停滞の罠
1 霊気圏の収集艇
1 秘密の解明者、ジェイス

 

クリーチャー12枚(機体、PW含め17枚)
除去呪文7枚
打消し呪文7枚
ドロー呪文5枚 というメイン構成。

仮想敵は、霊気紛争リリース直後にシェアNo.1のBGカウンターアグロ、サヒーリコンボ、WGトークン、UBコントロールなど。


<回し方>

○理想初手
 スレイベンの検査官
 金属の叱責
 遵法長、バラル(or呪文捕らえor霊気圏の収集艇)
 天才の片鱗
 平地
 島
 島

turn1:スレイベンの検査官
turn2:金属の叱責(サイド後は手酷い失敗)
turn3:遵法長、バラル + 金属の叱責(or 呪文捕らえ or 霊気圏の収集艇)
turn4:白除去 + 天才の片鱗

turn4以降に《遵法長、バラル》を維持できると2マナ+4マナのような2アクションが確定し、
打消し+《天才の片鱗》や、1マナ《予期》で打消しを拾いにいき《金属の叱責》+《空鯨捕りの一撃》のような行動も取れる。

《スレイベンの検査官》+《金属の叱責》で先行時の2ターン目カウンターが確定するため、マリガンの基準はこの2枚が揃っているかどうか。
片方のみでは機能しづらいが、《遵法長、バラル》+《金属の叱責》であればキープしやすいか。
(その場合2ターン目に《遵法長、バラル》を出しておくのは言わずもがな)

○《遵法長、バラル》絡みでのプレイ
・turn2に出すか、turn3に出すか
 turn2に出すと《致命的な一押し》をもらいやすいため、他にクリーチャーがいない場合にはturn3まで待ったほうが良い。
 ただ相手が黒でない場合や(赤の蓄霊稲妻は2マナかつ後半ほど強くなってしまうため使わせてOK)、
 《天才の片鱗》がある場合にはturn2でのキャストも考えられる。

 turn3に出すことで2マナ域の打ち消しを即座に唱えつつルーティングできるので、基本はturn3に出すべき。
 (そのための《スレイベンの検査官》+《金属の叱責》である。)

・7枚目以降の土地は抱えておく
 《奔流の機械巨人》のために6マナまでの用意は必須だが、軽い打消しを多く用意している関係で、手札切れを起こしやすい。
 7枚目以降の土地を置くことよりも《遵法長、バラル》のルーティングで《天才の片鱗》や各フィニッシャーを引きに行くことのほうが
 大事なので、打消しを構えられる、構えられないにせよ《遵法長、バラル》が場にいる場合は手札を残しておくこと。


<勝ち筋>

フィニッシャーとして下記を用意。(マナコスト/P/T)
2 奔流の機械巨人(6/5/6)
3 霊気圏の収集艇(3/3/5)
2 ゼンディカーの同盟者、ギデオン(4/5/5)

○霊気圏の収集艇
飛行・絆魂持ちでありタフネスも高く、対アグロでのライフレースに追いつけるため、コントロール向きのカードだと思う。
初動を担うものの盤面上の影響力に欠ける《遵法長、バラル》や《スレイベンの検査官》で搭乗でき、
打消しをつかめない場合でも3ターン目に出して相手の行動を抑制できる。
対コントロールではこちらからライフレースへ持ち込むきっかけになる。
自身のみでは紙なため《折れた刃、ギセラ》の方が汎用性が高いものの、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》とマナ域が重なるほか、
《蓄霊稲妻》《闇の掌握》《光輝の炎》などに弱いため、まずはこちらを試しているところ。
なお、《折れた刃、ギセラ》に関しては《キランの真意号》を一方的に打ち取れるところはメリット。

○ゼンディカーの同盟者、ギデオン
今期も相変わらずクソゲーの一因であり、白を選ぶ理由の一つ。
一度着地させればコンバット時の《停滞の罠》などもこのデッキは打ち消しできるため、
着地した返しの相手ターンに《破滅の道》などを打たれない限り盤面に残り続ける。
アタッカーとしてのみでなく、トークン生成して時間稼ぎできるのもありがたい。
《バラルの巧技》でクリーチャーや機体を弾き飛ばしてから出せると勝ち。

〇奔流の機械巨人
《天才の片鱗》をフラッシュバックしながらブロッカーにしたり、
《否認》構えつつクロック要因とするなど、コントロールデッキで一番の勝ち筋となるカード。
ただ、構築に縛りをつけるカードでもあり、土地が24ではスクリューして唱えられないかもとか、
除去を《停滞の罠》ではなく《空鯨捕りの一撃》にしないとフラッシュバックできないとか、
どちらかといえばこのカードありきで構築を意識すべきカードともなっている。
今回の構築では《遵法長、バラル》のコスト軽減効果、ルーター効果のどちらともシナジーがあるため、土地の枚数以外は問題なし。


<使用しての所感>

〇強いところ
 ・序盤を凌げれば、《隔離の場》《天才の片鱗》サイド後は《燻蒸》などアドバンテージを稼げるカードが多いため、
  アド差から生み出される打消しとチクチクとしたクロックで勝つことができる。
 ・スピードを上げることもできるため、コントロール相手の場合はアグロプランで攻めることができる。
 ・白除去が強いため単調なアグロデッキに強い。(ただし呪言には弱い。)
 ・基本待ちの姿勢なためコンバットタイミングなどが難しくなく、ミスを起こしにくい。

〇弱いところ
 ・《遵法長、バラル》や《呪文捕らえ》が相手の余った除去に当たりやすく、除去を積んだアグロにメインで取れないことがある。
 ・打消しとクロックを並行して進めていくため、ジェスカイサヒーリのように一瞬の隙をついてキルしてくるデッキに勝てない。
 ・フィニッシャーを早めに引けないとパワー1のクリーチャー達がグダグダ居座るだけとなる。
 ・コントロールの割にはコンボデッキへの体制が低い。
 ・プレインズウォーカーに触れない。
 ・【金属製の巨像】にめちゃくちゃ弱い。(虚空の粉砕がないため)
 ・有効2色の割にはマナベースが不安定。おそらく島が軸の割には初ターンに白を要求しているからと思われる。
  マナベースに関しては赤タッチしてファストランド2種軸にすることで改善される可能性がある。
 ・カジュアルでは結構強いけれど環境相手にはTHE・中途半端 と言うに相応しい器用貧乏さ

<反省点>
 《遵法長、バラル》はデッキの軸にするには単体のカードパワーが低く、半端なパワー1を活かして《霊気圏の収集艇》を
 使おうと考えたことが間違いであったと感じる。《スレイベンの検査官》も、《霊気圏の収集艇》前提で採用しているため、
 クロックパーミッションで4枠使うカードではないと思う。(《金属の叱責》とのシナジーは評価できる。)

 勝ち筋は明確に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《奔流の機械巨人》であり、
 《遵法長、バラル》にこだわるのであればジェスカイコントロールにしてマナベースの強化、軽量除去を増やして
 《電招の塔》を入れる形が最も自然な構築である。半端なビートは不要。
 また、《遵法長、バラル》のルーティング効果を活かせるのはジェスカイサヒーリではないだろうか。

 次はジェスカイサヒーリをチューンして使ってみたい。

 

青カード評価(BFZ~AER)

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環境において青のコントロール系デッキを使用する上での所感。
メモしたいカードを見つけ次第追記します。

1マナ域

儀礼的拒否 青
後攻で2マナキランを打ち消しできる唯一のカード。
キラン自身にコプターほどの汎用性がないことと、PW搭乗の場合にはPW自身に打ち消しを当てればいいため、このカードを選択する意義が薄い。
即席デッキがプレリで結果を出しており人気となる可能性があるため、チマチマアーティファクトをつぶす用にサイド投入は検討できる。

2マナ域

否認 (1)青
2マナ、3マナに強いクリーチャーが多い環境が見込まれ、かつ機体の数が減るため、前期ほどの汎用性は見込めない。
ただし、アドバンテージが崩壊するPWや各種巧技を確実に止める手段としては今期もド安定であり、青を握る理由になるカード。
投入するならメインであり、相手が緑系なら手酷い失敗や革命的拒絶に変えるなどのプランを取るべし。

手酷い失敗 (1)青 欠色
巻きつき蛇、リシュカー、不屈の追跡者、カーリゼヴ、屑鉄場のたかり屋など、アドバンテージを稼がれる軽量クリーチャーを止める手段。
追放できるためたかり屋が相変わらず多い場合には優先度が高まる
ギラプールの希望とのコンボも見込めるが、やはり汎用性に欠けるためメインには1枚が限界。

革命的拒絶 (1)青
手酷い失敗と同じく軽量クリーチャーを含めた汎用打ち消しとしては悪くないが、2マナでごまかされるのが致命的な弱さ。
序盤に引きたいため3枚以上の投入が望ましいが、後半腐る上にサイドからの投入がしにくいために使い勝手が悪い。
キランや霊気圏を打ち消せないのも×。

予期 (1)青
特に強いドローソースは来ていないため、可もなく不可もなくの立ち位置。氷の中の存在や電招の塔と組み合わせないと物足りない。
バラルの巧技など青で捲り性能の高いカードが出てきたため、探しに行く選択肢としては悪くない。

棚卸し (1)青
遵法長、バラルのリリースに伴い評価が上がった。コスト軽減、ルーター効果の双方と噛み合っており、
コントロールのドロソは貴重なため今は打てないが捨てたくない(特に片鱗など)」概念を壊してくれるカード。
入れるならバラルとセットで4枚、軽量打ち消しと組み合わせて2ドローから使用していきたい。

氷の中の存在 (1)青 0/4
致命的な一押しのリリースにより、タフネス4のメリットが減ってしまった。
黒からはもともと闇の掌握や殺害を当てられていたが、軽い黒タッチのデッキからも除去されてしまう点は大きなデメリット。
逆にグリクシスで使うのであればショック、致命的な一押しといういつでも使える1マナ除去が出たことにより、変身しやすくなったと言える。

遵法長、バラル (1)青 1/3
氷の中の存在と同じくヘビーコントロール向けのカードだが、このカードはフィニッシャーを探しに行くに過ぎないため結局単体の弱さが気になる。
また、氷の中の存在以上にあらゆる除去が当たる。
電招の塔軸であれば、コスト軽減した予期、棚卸し、安堵の再開でデッキを回し速度の向上に貢献できる。
ほぼ無意味なパワー1を霊気圏の収集艇などの搭乗コストに活かしたいところ。

3マナ域

金属の叱責 (2)青
即席付きで相手に追加3マナ要求する万能カウンター。
青コンでスレイベンの検査官などの調査を入れる理由を生み出したカードで、最速2ターン目で使えるため非常に汎用性が高い。
召喚酔いした機体との相性もいいため、青タッチする多くのデッキがはこのカードを入れるのではと予想。
逆に考えると3マナ控えておけば怖くないのでカウンターの打ち所をよく考えればOK。

呪文萎れ (2)青 欠色
金属の叱責、のリリースにより価値がぐっと下がってしまった。
金属の叱責、虚空の粉砕と比較した際のメリットは追放できる点、4マナ要求する点、青1である点。
4マナ要求すればコントロール相手以外であればほぼ止められるが、青黒コンが増えそうなので心配になる。

虚空の粉砕 (1)青青 欠色
否認と並び今期もド安定のカウンター。ただしより広く見られる不許可が出たため、追放にメリットがないと使われないだろう。

不許可 (1)青青
追放できない代わりに、誘発型能力と起動型能力を消せるようになった虚空の粉砕。
環境初頭は何が流行るか分からないほか、コンボ系デッキも台頭するため、
青のマナベースが安定するなら否認とこのカードを入れておけばまず腐ることはない。
誘発型能力は肝心のエムラクールが禁止となったため、リリアナの奥義やサヒーリコンボなどの起動型能力の打ち消しに期待。

4マナ域

即時却下 (2)青青
4マナ使ってまで不許可よりも入れる価値があるかというと難しいところ。
エムラクールの禁止でここまでの重量カウンターは価値が下がったと感じる。

天才の片鱗 (3)青
解析調査がリリースされたものの、やはりインスタントタイミングの2ドローは強い。
遵法長、バラルがいれば3ターン目で使えるため、コントロールなら3枚程度投入しても腐ることは少ない。
また、奔流の機械巨人が入っている場合にはフラッシュバック用に1枚は入れておきたい。
Eカウンターを得るがコントロールで使うことが少ないため、タッチ色を霊気拠点にすることも検討できる。

5マナ域

秘密の解明者、ジェイス (3)青青
対コントロール最強のカード。ビートに対する中途半端なバウンスは諸刃の剣で強力なCIP効果を持ったカードが多いと使いづらい印象。
バラルの巧技と枠を潰しあうため、PW主体ならこっち、遵法長、バラルを使うなら巧技か。
機体はバウンスできない上に飛行持ちにめっぽう弱いため、メイン投入はリスキー。

バラルの巧技 (3)青青
アーティファクトもバウンスできるため、コントロール相手でも腐りにくい万能除去。
コントロールにとってゲームを長引かせる理由になるカードで、セットで使う4マナと一緒にピン挿しでも十分機能する。
セットで使いたいカードは、天才の片鱗やゼンディカーの同盟者、ギデオン、スラムの巧技、霊気圏の収集艇など。
特にビート系相手の場合は異端聖戦士、サリアを出すことで2ターン動きを封じることができる。

解析調査 (3)青青
即席付きの3ドローで、2即席すれば苦い真理となるためアーティファクト多めなら採用できるが、
アーティファクト連打→ドローは相手にとって明らかにどうでもいい動きなため隙を作りやすい。
相手に使われる可能性としては、機械医学的召喚デッキだけ警戒しておけば良い。

6マナ域
奔流の機械巨人 (4)青青 5/6
ヘリコプターがいなくなり、地上クリーチャーが多くなればサプライズブロッカーとしての役目も果たせて良い。
流行る(であろう)青黒の主要構築にも寄るが、今までは間違いなくこのカードをフィニッシャーに据えていたのに対し
難苦の伝令がいることにより相手側からの警戒心が少し和らぐのではという印象。
フラッシュバック対象は汎用性の高い不許可、ブロッカー時であれば天才の片鱗を用意していれば困ることはない